Mat

目次

屈曲エクササイズ

デッドバグ

理論的背景

体幹部の安定性向上、体幹部と股関節の分離運動を目的としたエクササイズ。腹筋群の弱化や脊柱起立筋、広背筋の緊張があるクライアントでは、骨盤や腰部の伸展が起こりやすく、腹直筋の過剰収縮が散見される。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の安定性の低下
  • 股関節の分離運動制御不全
  • 腰部の過緊張
  • 腹筋群の収縮感の欠如

注意点

  • 腰部の過伸展
  • 股関節のつまり
  • 頚部の過緊張

デッドバグ:3ヶ月ポジション

理論的背景

体幹部の安定性向上と股関節の分離運動制御機能の向上を目的としたエクササイズ。両脚を上げて股関節を伸展させていくため、体幹への負荷がデッドバグに比べて大きくなる。股関節伸展の際に腰部伸展代償に注意する。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の安定性の低下
  • 股関節の分離運動制御不全
  • 腰部の過緊張
  • 腹筋群の収縮感の欠如

注意点

  • 腰部の過伸展
  • 股関節のつまり
  • 頚部の過緊張

アームアークス

アームアークス:代償動作

理論的背景

骨盤胸郭帯の動的安定性向上と、それに伴う肩関節屈曲動作の運動学習を目的としたエクササイズ。腹筋群や前鋸筋といった呼吸補助筋が弱化したクライアントでは、肩関節屈曲時に胸郭を伸展させてしまうため、スクリーニングテストとしても有効となる。

こんなクライアントに推奨

  • 骨盤胸郭帯の安定性の低下
  • 腰部の過緊張
  • 呼吸補助筋群の弱化

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 肋骨の外旋
  • 頚部の過緊張
  • 肘の屈曲
  • 胸郭の伸展

ブリッジ・デッドバグ

理論的背景

腰椎骨盤帯の動的安定性向上、抗回旋能力の向上、股関節の分離運動、臀筋群の活性を目的としたエクササイズ。骨盤を床から持ち上げた状態で股関節の分離運動を行うため、臀筋群の筋力はもちろん高い制御能力が求められる。

こんなクライアントに推奨

  • 腰椎骨盤帯の不安定
  • 腰部の過緊張
  • 肩甲胸郭帯の不安定
  • 臀筋群の弱化

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 肋骨の外旋
  • 胸郭の伸展
  • 臀筋の収縮感の欠如

ペルビックティルト

理論的背景

骨盤後傾のモーターコントロールとそれに伴う腹筋群、ハムストリングスのフォースカップル(協調運動)を目的としたエクササイズ。仰臥位で行うことで、緊張を抑制した状態で骨盤帯の運動学習を行い、立位時の過緊張姿勢や骨盤帯のバランス不全があるクライアントには優先的に行いたい。

こんなクライアントに推奨

  • 骨盤の運動制御不全
  • 過緊張を呈した姿勢
  • 腹筋の収縮感の欠如
  • ハムストリングスの収縮感の欠如

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 骨盤の前傾
  • 頚部の過緊張
  • 胸郭の伸展

ロールアップ

理論的背景

脊柱の分節運動制御機能の向上と腹筋群の活性を目的としたエクササイズ。低負荷の分節運動により脊椎周囲の深層筋の活性、圧迫ストレスの解放に有効となるが、仰臥位で重力に逆らう必要があり、筋力的な要求度も高く、加えて日常的に腰部の過緊張があるクライアントでは腹直筋優位で固めて動いてしまうため注意が必要となる。また脊柱の分節運動の向上に伴い、身体中心座標の確立も合わせて期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎の分節制御不全
  • 腰背部の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 腹筋群の過剰な震え

ロールオーバー

理論的背景

脊柱の分節運動制御機能の向上と肩甲胸郭帯の安定性向上を目的としたエクササイズ。逆位で脊椎の分節運動を行うためには、腹筋群、上腕三頭筋、僧帽筋下部の筋力と協調運動が要求されるため、初心者のクライアントに処方する際には注意が必要。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎の分節制御不全
  • 肩甲胸郭帯の不安定性
  • 腰背部の過緊張

注意点

  • シュラッグ
  • 肩の前突
  • 反動を用いる
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 腹筋群の過剰な震え

ローリング

理論的背景

脊椎、胸部の屈曲や呼気機能の活性、前後の回転運動による前半規管、後半規管の刺激を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 体幹屈曲能力の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 前庭覚の機能低下

注意点

  • フラットバック
  • シュラッグ

ローリング:シール

理論的背景

脊椎、胸部の屈曲や股関節外旋筋群、呼気機能の活性、前後の回転運動による前半規管、後半規管の刺激を目的としたエクササイズ。動作スピードが速く感覚刺激量の多いエクササイズとなり、ローリングより高いコーディネーション能力とバランス能力が求められる。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 体幹屈曲能力の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 前庭覚の機能低下

注意点

  • フラットバック
  • シュラッグ

スパインストレッチ

理論的背景

脊椎過伸展の抑制と体幹屈曲能力の促通を目的としたエクサササイズ。胸部を屈曲位に保ちながら吸気を行うことで後縦隔の拡張を促進させ、胸椎、胸郭の過伸展の緩和、ZOAの獲得、肋骨の可動性向上も合わせて期待できるかもしれない。後部連鎖筋群、特にハムストリングスの柔軟性にかけるクライアントでは長座が難しいため、膝関節屈曲位で行うなど工夫が必要となる。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹筋群の収縮感の欠如

注意点

  • シュラッグ
  • 大腿前面の過緊張

ニーリングキャット

理論的背景

脊柱屈曲の分節運動制御機能の向上と脊椎周囲の単関節筋の活性を目的としたエクササイズ。過緊張を呈したクライアントでは、広背筋などの他関節筋を過剰に使う傾向があるため、反動を使うなどゆっくりとした低閾値動作が行えないケースもあるため注意する。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 脊柱屈曲の分節不全

注意点

  • 腰椎の伸展
  • 骨盤の後方シフト
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ
  • 反動を使う

キャット

理論的背景

体幹の屈曲とそれに伴う腹筋群、前鋸筋の強化、脊柱伸展筋群の抑制を目的としたエクササイズ。両手で床をプッシュし、呼吸を行うことで肋骨の内旋、後縦隔の拡張を促すことが出来る。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 脊柱屈曲の可動性不全

注意点

  • 翼状肩甲
  • 努力的な呼吸
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ

キャット:ホバー

理論的背景

体幹の屈曲とそれに伴う腹筋群、前鋸筋の強化、脊柱伸展筋群の抑制を目的としたエクササイズ。両手で床をプッシュし、呼吸を行うことで肋骨の内旋、後縦隔の拡張を促すことが出来る。腹筋群や前鋸筋が弱化したクライアントでは屈曲動作を頚椎で代償したり、肋骨の外旋が見られるためスクリーニングテストとしても有効となる。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 脊柱屈曲の分節不全
  • FHP

注意点

  • 腰椎の伸展
  • 骨盤の後方シフト
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ
  • 反動を使う

エレファント

理論的背景

身体全体の屈曲制御機能の向上とそれに伴い腹筋群の活性、ハムストリングの柔軟性向上、足関節の背屈可動域の向上を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 脊柱屈曲の分節不全
  • FHP
  • 後部連鎖筋群の過緊張
  • 肩甲胸郭帯の不安定

注意点

  • 翼状肩甲
  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ

ティーザー

理論的背景

体幹、股関節の屈曲能力の向上を目的としたエクササイズ。体幹の屈曲に合わせて股関節を屈曲を行うので、ロールアップ系エクササイズ以上の筋力とコーディネーション能力が求められるため、初心者のクライアントに処方する際には注意が必要となる。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹筋群の収縮感の欠如
  • 脊柱屈曲の分節不全
  • FHP

注意点

  • FHP
  • 大腿前面の過緊張
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ

ロールダウン:立位

理論的背景

立位での重心制御と脊柱の分節運動制御機能の向上を目的としたエクササイズ。低負荷での分節運動により脊椎周囲の深層筋の活性に伴い、脊柱のアライメント不良や表層筋の抑制、圧迫ストレスの改善に有効となる。仰臥位のロールダウンと比較して、腹筋群の要求度が低くなるため、腹筋群の弱化したクライアントにはより簡単な動作となるため、リグレッションとして活用できる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎の分節制御不全
  • 立位時の過緊張
  • 立位時の重心制御不全
  • 立位時の腰背部の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • ハムストリングスの伸長感の欠如

伸展エクササイズ

プローンエクステンション

理論的背景

胸椎伸展の制御機能と肩甲帯の安定性向上を目的としたエクササイズ。上肢で床をプッシュすることで前鋸筋が活性化され、僧帽筋下部と共同することで胸郭の伸展代償を防ぎ、胸椎レベルの伸展制御を行いやすくなる。脊柱伸展を伴うエクササイズ全般に共通する注意事項として、腰椎部や背部を過度に緊張させて脊柱を圧迫するように伸展するのではなく、腹筋群や肩甲帯と共同して行うことが望ましい。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎伸展の分節制御不全
  • 胸椎伸展の可動性低下
  • 前鋸筋、僧帽筋下部の弱化

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過伸展
  • シュラッグ

スワン

理論的背景

脊柱伸展筋群の活性と、制御機能の向上、肩甲骨周囲筋群の活性を目的としたエクササイズ。脊柱を分節的に制御できていなかったり、肩甲帯の筋群が弱化したクライアントでは腰椎部を過度に圧迫するように伸展してしまうため、注意が必要。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎伸展の分節制御不全
  • 胸椎伸展の可動性低下
  • 前鋸筋、僧帽筋下部の弱化
  • 上腕三頭筋の弱化

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過伸展
  • シュラッグ

スイミング

理論的背景

脊柱伸展時における体幹の安定性と筋持久力の向上、僧帽筋下部を含めた後部連鎖筋群の協調運動の学習を目的としたエクササイズ。胸椎、股関節の伸展位を保持しながら動作を続けるためあの筋機能が高く要求されるため、初心者のクライアントに実施する際は注意が必要となる。斜走スリングラインの活性により、仙腸関節の安定も期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎伸展の分節制御不全
  • 胸椎伸展の可動性低下
  • 股関節伸展筋の弱化

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過伸展
  • シュラッグ

スイミング2

理論的背景

体幹を含めた肩甲胸郭帯の安定性と筋持久力の向上を目的としたエクササイズ。体側の手足を動かし、同側の大臀筋とハムストリングス、体側の脊柱起立筋と広背筋のスリングラインの活性に伴い、歩行時の仙腸関節の安定が期待できる。スイミング-1と比較して支持面が広くバランスが取りやすいためリグレッションとして有効となるかもしれない。

こんなクライアントに推奨

  • 肩甲胸郭帯の不安定
  • 仙腸関節の不安定

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過伸展
  • FHP
  • シュラッグ
  • 肩甲帯の不安定

側屈エクササイズ

マーメイド

理論的背景

胸部側面の拡張、腹筋群の活性、肩甲帯の安定性、脊柱の側屈と回旋可動域向上を目的としたエクササイズ。安定した状態で前額面上の動作を制御できるため、身体感覚の低いクライアントに推奨される。また側屈を促通するエクササイズは数少ないため、積極的に行いたい。

こんなクライアントに推奨

  • 腰部の緊張、過伸展
  • 側面における肋骨の可動性低下
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 翼状肩甲
  • 努力性の呼吸

キャットテイル

理論的背景

脊柱側屈の可動域向上とそれに伴う胸郭側面の拡張、股関節の内旋可動域の向上を目的としたエクササイズ。同側の股関節内旋と体幹側屈を同時に行うことで、同側荷重応答時の内旋筋と腹筋群の協調運動を模倣できる。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 臀筋群の収縮感の欠如
  • 内旋筋群(中、小臀筋の内旋繊維)の収縮感の欠如
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 翼状肩甲
  • 脊柱の側屈可動不全

回旋エクササイズ

スパインツイスト

理論的背景

胸椎回旋可動域の向上、体幹の安定性向上を目的としたエクササイズ。脊椎の軸伸長を保ちながら回旋することで体幹中心座標の確立を促し、日常生活や競技中の腰部回旋代償をしてし舞うクライアントにとっても非常に有効な運動学習の基盤となる

こんなクライアントに推奨

  • 胸椎の回旋可動域低下
  • 胸部と腰部の分離不全

注意点

  • シュラッグ
  • 腰部の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 大腿前面の過緊張

スパインツイスト:ソー

理論的背景

胸部回旋、肋骨の内旋を促し、呼気を行うことで輻射筋群の活性を目的としたエクササイズ。呼気機能が低下し、肋骨が過度に外旋してしまうクライアントに推奨できる。肩甲胸郭関節の可動性が低下しているクライアントでは、肩甲上腕関節で代償してしまうケースが散見されるので注意する。

こんなクライアントに推奨

  • 呼気機能の低下
  • 脊柱の過伸展
  • 腹斜筋の収縮感の欠如

注意点

  • シュラッグ
  • 大腿前面の過緊張

レッグプル:フロント

理論的背景

肩甲帯の安定性向上、腰椎、骨盤帯の抗回旋能力の向上及び股関節の分離運動学習を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • FHP
  • 肩甲胸郭帯の不安定
  • 体幹の安定性向上
  • 過負荷での股関節分離運動不全

注意点

  • 翼状肩甲
  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ

クラム

理論的背景

内転筋群と臀筋群の活性を目的としたエクササイズ。床側の内転筋群、腹筋群と天井側の臀筋群との協調運動により、内転筋群を使った荷重応答と殿筋を使った対側へのプッシュを鍛えることができ、歩行周期のような日常生活に特異的なエクササイズとなる。また側臥位にて脊柱の屈曲、寛骨の後傾を誘発することで、広背筋、大腿筋膜張筋の抑制も合わせて期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 臀筋群の収縮感の欠如
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 内転筋の収縮感の欠如

クラム2

理論的背景

内転筋群と臀筋群の活性を目的としたエクササイズ。床側の内転筋群、腹筋群と天井側の臀筋群との協調運動により、内転筋群を使った荷重応答と殿筋を使った対側へのプッシュを鍛えることができ、歩行周期のような日常生活に特異的なエクササイズとなる。また側臥位にて脊柱の屈曲、寛骨の後傾を誘発することで、広背筋、大腿筋膜張筋の抑制も合わせて期待できる。クラム-1と比較して、床側の膝が伸展位であることからより立位に近い形で実施できる。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 臀筋群の収縮感の欠如
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 内転筋の収縮感の欠如

クラム3

理論的背景

内転筋群と臀筋群の活性を目的としたエクササイズ。床側の内転筋群、腹筋群と天井側の臀筋群との協調運動により、内転筋群を使った荷重応答と殿筋を使った対側へのプッシュを鍛えることができ、歩行周期のような日常生活に特異的なエクササイズとなる。特に股関節内転・外転にフォーカスしやすいため、前額面上での制御が苦手なクライアントに推奨される。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 臀筋群の収縮感の欠如
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • シュラッグ
  • 内転筋の収縮感の欠如

アダプタープルダック

理論的背景

股関節内旋筋群(内転筋、中、小臀筋の内旋繊維)の活性、後部関節包の伸長を目的としたエクササイズ。股関節内旋-内転の運動学習とそれに伴い、股関節を求心位に引きつけることで、適切な荷重応答や重心移動を得ることができる。立位で行えた方がより特異的だが、側臥位で行うことで姿勢筋緊張を排除した状態で行えるため、大腿筋膜張筋などを抑制し、より選択的に必要な内旋筋群を活性ができる。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 内旋筋群の収縮感の欠如
  • 股関節後方関節包の伸長性低下
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 後部関節包の伸長感の欠如
  • 内転筋の収縮感の欠如

アダプタープルバック2

理論的背景

脊椎の軸伸長を保った適切なアライメントと身体中心座標の確立、適切な荷重応答に必要な股関節の内旋-内転の運動学習とそれらの筋群の活性を目的としたエクササイズ。腰背部の緊張が強いクライアントや後部連鎖筋群の柔軟性が低下したクライアントではきつい姿勢となるため、注意が必要となる。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 脊椎アライメント不全

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 大腿前面の過緊張

アダプタープルバック3

理論的背景

体幹と股関節における分離運動と動的安定性の向上、大腿骨に対する骨盤の回旋することによる股関節の内転-内旋のい運動学習に伴い、適切な立脚応答の獲得を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 腰椎、骨盤帯の不安定
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 翼状肩甲
  • 内転筋、臀筋群の収縮感の欠如

サイドライイング-フロントバック

理論的背景

股関節外転筋群の活性と、体幹と股関節の分離運動の学習を目的としたエクササイズ。動作中、関節の中心位を保持し続けることで適切な感覚入力を得て、関節周囲の筋緊張を解く効果が期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張
  • 股関節の分離運動不全
  • ニーイン

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • シュラッグ
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

ニーリングサイドキック

理論的背景

股関節外転筋、前鋸筋、腹筋群の活性を目的としたエクササイズ。前額面上での体幹部の動的安定性が破綻しているクライアントでは骨盤の挙上代償が見られるため、注意する。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 臀筋群の収縮感の欠如
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 臀筋群の収縮感の欠如

サイドリフト

理論的背景

内転筋群、臀筋群、腹筋群、前鋸筋の活性を目的としたエクササイズ。前額面上での協調運動学習を強化することで適切な荷重応答を高めることができる。側臥位エクササイズの中では剛性を高める分類となるので、事前にクラム系のエクササイズが行えるほどの身体制御性の高いクライアントに推奨される。

こんなクライアントに推奨

  • 適切な荷重応答ができない
  • 臀筋群の収縮感の欠如
  • 内転筋群の収縮感の欠如
  • 広背筋の過緊張
  • 大腿筋膜張筋の過緊張

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • 翼状肩甲
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