reformer

目次

屈曲エクササイズ

ZOAブリッジ

理論的背景

骨盤や脊椎の分節運動、腹筋群、ハムストリングス、前鋸筋、僧帽筋下部繊維といった呼気筋群の活性に有効となるエクササイズです。腰部を圧迫した伸展パターンで姿勢や動作制御のあるクライアントには特に有効となる。腰部伸展や膝関節伸展代償があると、キャレッジが動いてしまうため、スクリーニングとしても有効となり、マットブリッジとは違った利点がある。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎の分節運動の制御不全
  • 腰部の過剰な圧迫
  • 過度な緊張のあるクライアント
  • 反り腰姿勢が常態化したクライアント
  • ハムストリングス、腹直筋下部の収縮感の欠如

注意点

  • 腰部の緊張に伴い、脊柱の分節不全
  • 骨盤前傾してしまっていないか?

ペルビックティルト

理論的背景

仰臥位にて股関節の内旋・内転運動の運動学習に有効となるエクササイズ。立脚期、特に中期にて動作制御が困難や過緊張が生じるクライアントのプレエクササイズとして用いることが多い。

こんなクライアントに推奨

  • 内転筋群の機能不全、収縮感の欠如
  • 腰椎や骨盤の伸展といった過緊張
  • 反り腰姿勢や適切な立脚応答の制御不全が見られ、大腿前面の張りや膝関節や股関節周囲に疼痛が主訴のクライアントに対して立位のエクササイズのプレップとして有効となる。

注意点

  • 大腿前面の過緊張によりキャレッジが動く。
  • 腰部伸展してしまっていないか?

ロングスパイン

理論的背景

脊柱の分節運動の学習、ハムストリングスの活性に伴い脊柱(特に腰部)の過度な伸展圧迫があるクライアントに有効となる。また肩甲骨を内下方に制御し、上肢で床を押すことで上腕三頭筋、僧帽筋下部といった肩甲胸郭帯の動的安定性向上も合わせて期待できるエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 脊柱の分節運動の制御不全
  • 腰背部の過伸展
  • 脊柱身体中心座標軸の向上
  • 肩甲胸郭帯の動的安定性の向上
  • 股関節屈筋群の抑制

注意点

  • 腰部の過度な圧迫
  • 腰部ヘルニアがある方に対しては禁忌となる。

ショートスパイン

理論的背景

脊柱屈曲の分節運動の学習が主目的だが、ロングスパインと違い、レバーアームが短くなるため、より分節運動にフォーカスすることができる。また股関節外転外旋位にてストラップの負荷(股関節伸展方向)に逆らう為、外旋筋群と腹筋群の活性、股関節屈筋群の抑制も期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊柱屈曲の分節運動の制御不全
  • 股関節外旋筋群の機能不全、収縮感の欠如
  • 腰背部の緊張の抑制

注意点

  • 腰部の過度な圧迫
  • 腰部ヘルニアがある方に対しては禁忌となる。

ローイングラウンドバック

理論的背景

体幹部の動的安定性の向上、脊柱の分節制御機能の向上を目的としたエクササイズ。スプリングの補助を用いることで、マットのロールダウンのリグレッションとして有効となるケースが非常に多い。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の屈曲能力の向上
  • 腰背部の過緊張
  • 脊椎屈曲の分節制御不全

注意点

  • 頚椎過伸展
  • 腰椎過伸展
  • シュラッグ
  • FHP

ロングストレッチ-ラウンドバック

理論的背景

肩甲胸郭帯の動的安定性と脊柱の屈曲に伴い腹筋群、前鋸筋の活性、後部連鎖筋群の抑制を目的としたエクササイズ。筋力的な要求度が高く難易度の高い脊柱屈曲の身体制御性も求められるため、そもそもの従重力位での屈曲の制御性や自重で支える肩甲帯の安定性があるかどうか適切に評価する必要がある。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の屈曲能力の向上
  • 肩甲帯の動的安定性の向上
  • 肋骨下角の開
  • 腰背部の緊張

注意点

  • 腰椎の伸展が生じてしまっていないか?
  • 翼状肩甲骨、大腿直筋の過緊張

ロングストレッチ:ニュートラル

理論的背景

体幹部の安定性向上、肩甲胸郭帯の動的安定性の向上、肩関節の分離運動を目的としたエクササイズ。主に伸展方向に対する負荷に抗する形で遠心性収縮の制御能力が試される。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の屈曲能力の向上
  • 腰背部の過緊張
  • 肩甲帯の動的安定性の向上

注意点

  • 翼状肩甲
  • 頭部前方偏位
  • 腰部の過伸展
  • 肋骨の外旋

ジャックラビット

理論的背景

体幹部の動的安定性の向上、肩甲胸郭帯の動的安定性の向上、体幹部と股関節の分離運動(脊椎に対する剪断力が加わり、仰臥位のエクササイズに比べ筋力的な要求度が高まるため実施する際は注意が必要となる。)

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の制御能力の向上(伸展方向の負荷)
  • 肩甲帯の動的安定性の向上
  • 大腿直筋の過緊張
  • 腸腰筋の活性

注意点

  • 翼状肩甲
  • 大腿直筋の過緊張
  • 腰部伸展

テンドンストレッチ

理論的背景

脊柱の屈曲や骨盤の後傾運動、肩甲胸郭帯の動的安定性の向上に伴い、前鋸筋、上腕三頭筋、僧帽筋下部、腹筋群の協調、後縦隔の拡張を目的としたエクササイズ。自重を支えるほどの肩甲帯の安定性が担保された状態でなければ、肩関節前方に力学的ストレスが集中してしまうため、(Obligate translationに対する介入が優先となる)実施する際は適切な評価が必要となる。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の屈曲能力の向上
  • 腰背部の過緊張
  • 肩甲帯の動的安定性の向上

※翼状肩甲が見られる場合はリグレッションすること。

注意点

  • 翼状肩甲が生じてしまっていないか?
  • 肩の前方偏位が生じてしまっていないか?

エレファント

理論的背景

脊柱の屈曲機能の強化とそれに伴い腹筋群の活性、肋骨の内旋、後縦隔の拡張、後部連鎖筋群の抑制を目的としたエクササイズ。フットバーに設置した足関節を底屈位にすることでより後部連鎖筋群の抑制が期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の屈曲能力の向上
  • 腰背部の過緊張
  • 肩甲帯の動的安定性の向上
  • 後部連鎖筋群の抑制
  • 腹筋群の収縮感の欠如

注意点

  • 翼状肩甲、シュラッグ
  • 腰部伸展してしまっていないか?

ショートボックス:ロールダウン

理論的背景

体幹部の動的安定性の向上、筋力的要求度の高い環境下における脊椎の分節運動の制御能力の向上を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の屈曲能力の向上
  • 体幹部の動的安定性の向上
  • 腹筋群の遠心性の強化
  • 広背筋の抑制

注意点

  • フォワードヘッド、シュラッグ
  • 腰部伸展してしまっていないか?

キャットボックス

理論的背景

脊柱全体の可動性の向上、肩甲胸郭帯の動的安定性の向上と周囲筋の促通を目的としたエクササイズ。両手でキャレッジを押すことで、前鋸筋及び腹筋群が活性し、肋骨の内旋、後縦隔の拡張を促すことができる。腹筋群が弱化または屈曲能力が乏しいクライアントは胸郭の屈曲動作を頚部で代償したり、肋骨の外旋が見られるため、機能テストとしても用いることができる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊柱の可動性の向上
  • 腰背部の過緊張
  • 肩甲帯の動的安定性の向上

注意点

  • 肋骨の外旋
  • 頚部の過剰な屈曲
  • FHP
  • シュラッグ

ブリッジ:Knee

理論的背景

脊柱屈曲の分節運動と体幹部の安定性向上(剛性を高める必要があるため、中上級者以上の身体制御性のある方でないと推奨できない)、股関節伸展筋群、腹筋群の共同収縮を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎の分節運動の制御不全
  • 股関節伸展筋群の協働
  • 股関節屈筋群の抑制
  • ハムストリングス、腹直筋下部の収縮感の欠如

注意点

  • 腰部の緊張に伴い、脊柱の分節不全
  • 骨盤前傾してしまっていないか?

フロッグ

理論的背景

体幹部の安定性向上や股関節分離運動の学習、内転筋群の活性を目的とする。スプリングの負荷がかかることで、股関節伸展筋群が働きながら動作を行うので、大腿直筋や大腿筋膜張筋の緊張を抑制した状態で狙った筋の収縮を得られることもメリットとなるため、マットでフロッグ動作を行うことで、大腿直筋や大腿筋膜張筋の過剰な緊張が生じるクライアントにとってのリグレッションとしても有効となる。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部と股関節の分離運動の制御不全
  • 内転筋群の機能不全、収縮感の欠如
  • 股関節の位置覚の向上
  • 立位姿勢の股関節動作で過度な緊張が生じてしまうクライアントや脚の外側の張りや太さにお悩みの方に対して有効となるケースが非常に多い。

注意点

  • 大腿骨内旋が生じてしまっていないか?
  • 腰部伸展してしまっていないか?

伸展エクササイズ

ロングボックス:スワン

理論的背景

脊柱伸展の筋力と制御機能の向上、肩甲骨周囲筋、上腕三頭筋の促通を目的としたエクササイズ。肩甲帯、腹筋群と背筋群の共同収縮が要求されるため、肩甲帯や腹筋群の機能不全があるクライアントでは、過剰に腰を反り圧迫ストレスを増大してしまうため、実施する際は注意が必要となる。ただマットでのスワンが難しい方にとってスプリングのサポートがあるため、正しい胸椎伸展が学習しやすいメリットもある。

こんなクライアントに推奨

  • 脊柱伸展の可動性低下
  • 腰椎の過伸展、過緊張
  • 前鋸筋、僧帽筋下部、上腕三頭筋の弱化

注意点

  • 頚椎の過伸展
  • 腰椎の過伸展
  • 翼状肩甲

ロングボックス:プリングストラップ

理論的背景

体幹、脊柱伸展の制御機能の向上とそれに伴い前鋸筋、僧帽筋下部、上腕三頭筋の活性を目的としたエクササイズ。脊柱屈曲の動作制御不全があるクライアントに対しては、腰部を圧迫した伸展動作となってしまうため、前部連鎖筋群と後部連鎖筋群の協調運動が求められ、実施者は行う際に十分な注意が必要となる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊柱伸展の制御機能不全
  • 肩甲胸郭帯の動的安定性の向上
  • 肩関節の可動性の低下

注意点

  • 腹部緊張の低下
  • 腰部の過伸展

ロングボックス:スイミング

理論的背景

脊椎伸展時における体幹の安定性と筋持久力の向上、また僧帽筋下部を含めた後部連鎖筋群の強調運動の学習を目的としたエクササイズ。胸椎と股関節伸展を保ち動作を続けるための筋力と筋持久力が高く要求されるため、実施する際は注意する。殿筋とハムストリングス、対側の脊柱起立筋、広背筋の斜走スリングラインの活性に伴い、歩行時の仙腸関節の安定化に対しても有効となる。

こんなクライアントに推奨

  • 脊椎伸展筋群の活性
  • 伸展時における体幹の協働
  • 骨盤の安定

注意点

  • 腰部の過伸展
  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ
  • 体幹の不安定性

側屈エクササイズ

マーメイド

理論的背景

胸部側面の拡張、脊柱の側屈、回旋可動域の向上、肩甲胸郭帯の動的安定性の向上を目的としたエクササイズ。

こんなクライアントに推奨

  • 肩甲帯の動的安定性の向上
  • 広背筋の抑制
  • 側屈の分節運動不全

注意点

  • 頚部の過緊張
  • シュラッグ
  • 努力性の呼吸

ショートボックス:マーメイド

理論的背景

ラテラルライン(胸部側面)の拡張、脊柱の側屈、回旋可動性の向上とそれに伴い、広背筋群の抑制を目的としたエクササイズ。フットストラップにかけている脚に外部内転負荷が加わるため、股関節外転筋群の強化としても有効となる。

こんなクライアントに推奨

  • 胸部側面の拡張
  • 脊柱側屈の可動性向上
  • 後縦隔の拡張
  • 股関節外転筋群の強化

注意点

  • 大腿骨内旋が生じてしまっていないか?
  • シュラッグ

立位エクササイズ

スケーター

理論的背景

立位時の股関節内転筋群の強化と脊椎の制御機能の向上を目的としたエクササイズ。重心位置が高く、前庭機能や視機能といった感覚統合処理の不全があるクライアントでは転倒リスクがあるため、実施する際には注意が必要となる。
※実施する際は指導者は常に転倒に備えて後方にいることが望ましい。

こんなクライアントに推奨

  • 股関節内転筋群の収縮感の欠如
  • 股関節内転筋群の弱化
  • 股関節外転筋群の抑制
  • 水平半規管の活性

注意点

  • 大腿骨の内旋
  • 腰部伸展

スケーター:荷重応答期

理論的背景

立脚応答期に必要な重心側の股関節内旋・内転筋群の制御、活性を目的としたエクササイズ。重心側の上肢リーチをすることで同側の腹筋群の活性、対側の胸部拡張、僧帽筋下部繊維の活性、相反交互運動に必要な機能の獲得が期待できる。

こんなクライアントに推奨

  • 股関節内旋、内転筋群の制御と活性
  • 内転筋、臀筋群の収縮感の欠如
  • 立位時の姿勢制御不全
  • 日常生活や競技に特異的な相反交互運動

注意点

  • 大腿筋膜張筋の過緊張
  • 腰部伸展

ランジ

理論的背景

片脚立位にて股関節内転・内旋位の動作制御をしながら股関節・膝関節伸展機能の強化を行うことで適切な立脚応答に必要な身体制御性の向上を主目的としたエクササイズ。スプリングの負荷を調整することで対側の股関節屈筋群の柔軟性向上も期待できるため、利便性の高いエクササイズとなる。また脊柱の屈曲や伸展といった動作も組み合わせることで、歩行時の脊柱の機能不全がみられるクライアントにも非常に有効となる。

こんなクライアントに推奨

  • 股関節伸展筋の強化
  • 股関節伸展可動域の向上
  • 適切な立脚応答期の学習

注意点

  • 膝関節優位に動いてしまっていないか?
  • 腰部が過伸展してしまっていないか?

その他

アームワークフロント

理論的背景

肩甲胸郭帯、肩関節、肘関節の分離運動と各関節周囲筋群の安定性向上を目的としたエクササイズ。動作中は腹筋群、僧帽筋下部、上腕三頭筋、前鋸筋の協働収縮が求められるため、中級者以上に推奨されるエクササイズ。バリエーションとして膝立ちなど、クライアントの身体制御性に応じてその場でプログレッションしやすいのも利点となる。

こんなクライアントに推奨

  • 体幹部の動的安定性の向上
  • 肩甲胸郭帯の動的安定性の向上
  • 肩関節の自動可動域の獲得

注意点

  • 頚椎の過伸展
  • FHP
  • シュラッグ
  • 翼状肩甲

スプリット:フロント

理論的背景

後部連鎖筋群の抑制、股関節伸展筋群の遠心性収縮機能の向上を目的としたエクササイズ。フットバーに両手をかけることで、腰部伸展代償を限りなく抑えられる状態となるため(脊柱屈曲位の保持)後縦隔の拡張も促すことが可能となる。

こんなクライアントに推奨

  • 後部連鎖筋群の過緊張
  • 腰背部の過緊張

注意点

  • 大腿骨内旋が生じてしまっていないか?
  • シュラッグ

ロングボックス:ドンキーキック

理論的背景

矢状面における体幹部の動的安定性の向上、肩甲胸郭帯の動的安定性の向上、股関節伸展筋群の自動可動域の獲得、活性を目的としたエクササイズ。股関節伸展時、腰椎の前弯で代償してしまうといったクライアントに対する運動学習として有効となる。その分、体幹の制御が苦手なクライアントに処方するので、腰椎の伸展には注意する必要がある。

こんなクライアントに推奨

  • 矢状面の体幹部の安定性
  • 腰椎伸展の動作パターンが散見される方
  • 臀筋群の収縮不全

注意点

  • 腰椎の過伸展
  • FHP
  • シュラッグ
  • 翼状肩甲
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