エクササイズ強度調整の教科書

運動指導者からよく聞かれるお悩みが「エクササイズの強度を現場で調整することが難しい」ということです。

筋力トレーニングであれば、重量の調整で強度を調整するといったことは容易でしょうが、ヨガやピラティスではそう簡単にいきません。

それはなぜか?

評価が欠けているからと言えばそれまでですが、今回はそこを省いてまずはエクササイズ強度だけに着目して深掘りしていきます。

明日から現場で使える内容ですので、ぜひご活用ください!

目次

支持基底面

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支持基底面が広い=安定する(難易度が下がる)
支持基底面が狭い=不安定(難易度が上がる)

現場指導で言えば、エクササイズ強度の調整も簡単です。

支持基底面が広い運動でクライアントにとっては簡単すぎる場合は支持基底面を狭くした運動に切り替える必要があるし、逆に支持基底面が狭い運動で難易度が高すぎる場合は、支持基底面を広くした運動に切り替えることでスムーズにフローが進みます。

そのエクササイズの目的は何なのか?

ここが明確であることが大前提ですので強度調整することで最良の効果を得られる選択を指導者は即時的に対応する習慣をつけていきましょう!

これは後述する肢位とも同様の考え方となりますので、そちらも合わせて感がてみてください。

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肢位


肢位(ポジション)の変数でエクササイズの強度は変わります。

これは支持基底面とニアリーイコールではありますが、支持基底面が狭いと運動の難易度は上がり、支持規定面が広いと運動の難易度が下がります。

支持基底面の順番
・仰向け
・伏臥位
・側臥位
・四つ這い
・膝立ち
・立位

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どの肢位にも特性がもちろんございますが、先述のように支持基底面が狭くなればなるほど強度が上がっていくという認識で基本的には問題ございません。

例えば同じ脊柱屈曲運動を行うにしてもこの肢位を変化させることで強度調整が可能です。

・仰向けで屈曲
・四つ這いで屈曲
・膝立ちで屈曲
・立位で屈曲


※下に行けば行くほど強度が高くなりますが、仰向けでの屈曲は筋力的要求度で言えば強度が高くなるので、神経的強度、肉体的強度、2つの観点からエクササイズを捉えていく必要があります。

スピード

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シンプルに動作を行う際のスピードです。

スピード↑=難易度増
スピード↓=難易度下

ですが、もちろん絶対ではございません。


ピラティスで言えば関節制御機能をメインとするケースが多くなるはずですので、スピードを落とした方が難易度は当然あがるわけで、目的によりケースバイケースであるところはあります。

■ピラティスとスピード
スピード↓=難易度増
スピード↑=難易度下

運動幅:レンジ

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■レンジ
・小さい方が負荷小
・大きい方が負荷大

こちらも当然ですが、レンジによって同じエクササイズでも強度は大きく変わります。

ピラティスで言えば基本的にエンドレンジで動かすことを推奨しておりますが、これも代償が出ない範囲でのエンドレンジでないと効果が出ませんので必ずしも運動幅を大きくすれば強度や難易度が上がるというわけでございませんので、そこは指導者の力量ですので曲解のないようご注意ください。

レバーアーム

レバーアーム
・短い:負荷小
・長い:負荷大

レバーアームとは何でしょうか?

その前にモーメントを理解する必要があります。

モーメントとは
「梃子(てこ)における、支点から力の作用点に下ろした垂線の距離。」

簡単に言えば「回転する力」です。

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これだけだと、理解しづらいかと思いますので、こちらの図をご参照ください。

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真ん中の丸太を軸に女の子側は反時計回り、男の子側には時計回り方向にモーメントが、作用しています。

どちらも足をついておりませんので現状では「モーメントは同じ(=釣り合っている)」ことが予想できます。

ではこの画像の男の子が、さらに右端に寄ったらどうなるかイメージは湧きますでしょうか?男の子の足が地面につき、女の子は上に上がると思います。これはレバーアームが増えたことによりモーメントが増大したからということです。

つまりここでは「レバーアーム=丸太と男の子との距離」を指します。

これをエクササイズで示すとこの通り、腰椎後弯し肋骨内旋を保持する目的のエクササイズであるとして、レバーアームを長くすることで保持するために必要な腹部に対する強度が増大することが分かります。

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まとめ

今回メインで説明した項目以外にも、最後に挙げておきます。

・重量
・インターバル
・回数


この辺りはウエイトトレーイングで主に強度を上げていく指標となります。(※なので細かくは割愛しております。)

その他として視覚的制限サーフェス認知タスク頭位など、様々なエクササイズ変数から強度や負荷設定を行うことが可能となります。(※クライアントにとって必要な能力を補うために、時短となるためのエクササイズを選択できると1回のセッションで圧倒的な効果を出すことが可能となります。)

クライアントそれぞれの体に合わせて強度を調整することは、効果を出すことはもちろんですが、顧客満足度にも直接影響することです。

理解して現場指導ができるとエクササイズのバリエーションも無限に増やしていくことができますので、ぜひ今回

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