良いインストラクターとは

当たり前ですが代償動作を見極められることは良いインストラクターの必須条件です。

ただエクササイズを提供するだけでしたらYouTubeと同じ括りです。

どうやって代償動作を見極めるのか座学的な背景はその他の記事をご参照ください。

今回はなぜ代償動作を見極める必要があるのか?について語ってます。

ぜひ参考にしてみてください。

目次

なぜ代償動作を見極める?

ピラティスではコレクティブブロックに該当します。簡単に言えば動作パターンの是正にあたります。

異常な動作パターンを是正するためには、体性感覚、視覚、前庭覚の統合が欠かせないものですが、そのアシストとして最良となるツール(特に体性感覚)であるものが私の考えるピラティスの位置付けです。

インストラクターは弱化している筋や過活動している筋を姿勢とともに静的評価、動的評価の中で行い、仮説を推論し、目的を持ってエクササイズを提供すると思います。

ピラティスを行う目的としては「inhibition(抑制)」と「activation(活性)」が主となるかと思います。

筋バランスの問題ですね。

この筋バランスに問題があるということは、

  1. 特定の筋の過剰な活動
  2. 筋緊張の持続による短縮と拮抗筋の弱化
  3. 動作パターンの異常
  4. 異常な動作パターンの常態化
  5. 特定の筋の過剰な活動から抜け出せない

といった負のサイクルが常態化することと同義です。

エクササイズは運動の中で代償動作を防ぎ、過活動、過緊張筋をしっかり抑制し、抑制されている筋を活性化させることができて初めて良いエクササイズとなります。

つまりこの負のサイクルから脱出することにつながります。

コレクティブエクササイズとして成立します。

評価→仮設→検証(エクササイズ)→代償を防ぐorリグレッション→再び検証(エクササイズ)といった流れがスムーズに行えことが優秀なインストラクターです。

運動指導者の質はリグレッションで決まると考えております。

何故ならリグレッションは評価が伴わなければできないからです。

上記の流れで良いエクササイズが遂行できていないと、正しい動作パターンの修正は難しく、コレクティブエクササイズとして成立しません。

つまり何のためにピラティスを指導しているのか不明瞭な状態であると言えます。

  • ただピラティスの動きができないという結果だけが残る
  • ただピラティスの動きを押し付けるだけになる

といったことになります。

要は現場で迷子になります、ただひたすらピラティスのエクササイズを教えてるだけ、腹筋が弱いから何となくハンドレットを行うレベルになり、指導者側もそれではつまらないと思います。

ただ何となくピラティスの動きができるかどうかが評価の境界線となるだけで、それはピラティスがうまくなりたい場合でしたら適当に反復すればそれなりにできるようにはなると思いますが、多くのクライアントは明確な主訴があり、それを解決するための手段がピラティスでありピラティスが目的ではないはずです。

ただピラティスが上手くなっても、日常生活やスポーツなどで頻回に行われる異常な動作パターンが修正させることは理論的に難しいものです。

目的を持ってそこに転移できるようなプログラムを組むため、コレクティブブロックとして動作パターンを修正し、プログレッションするためのツールとして活用しているのが本来あるべきピラティスの位置付けなはずです。

もちろんピラティスに限った話ではなく、

エクササイズはクライアントの評価から作られるものなので、インストラクターの柔軟臨機応変なアイデアとコーチング能力が必要となります。

エクササイズの目的を定める

ではクライアントの評価もなく、ただピラティスのエクササイズを提供しているだけだとどのようになるのか?

結果が出ませんが、じゃあなぜ出ないのか言語化します。

極端な例ですが、チェアーのマーメイドでラテラルラインを抑制を目的とします、でも大腿筋膜張筋のタイトが強く、回旋までもっていけない。

だとしたら股関節は屈曲位にして脊柱にフォーカスし、マーメイドのフォームとしては綺麗ではないけれど、目的であった脊柱にはフォーカスできています。

この場合は目的であった脊柱側面の「inhibition(抑制)」と対側の「activation(活性)」には問題なく、良いエクササイズが行えていることになります。

クライアントの主訴から評価を行い、エクササイズを処方し、瞬時に代償動作を見抜き、目的を遂行する。

ここまでをスムーズにフローで行えると良いインストラクターと思います。

ぜひ参考にしてみてください。

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