顧客がつかないセッション

ご質問いただきました。

「顧客がつきません。」

  • 初回体験で新規の方が入会しない…。
  • リピーターが増えない…。

といった悩みはプレイヤーあるあるです。当然店舗ビジネスの売り上げは新規獲得とリピーターですからね。

というわけで、今回はなぜ顧客がつかないのか僕なりに言語化してみました。もちろんその方を見ていないので技術的なところを今回は省いたうえで、現場でよく起こるあるあるを書いてます。

目次

エクササイズが単調

クライアントさんの主訴にコミットすることは前提として、1時間のセッションの中でエクササイズの強度が単調だと、最後の感想は「つまらない」で終わるケースが多いです。

エクササイズの強度を4種類に分けるとこうなります。

  1. 辛い
  2. 程よく辛い
  3. 心地良い

これを専門的に言語化すると

  1. 剛性
  2. 高閾値運動
  3. 中閾値運動
  4. 低閾値運動

と分類できます。セッションを50分としてこれらのアップダウンがあることで、セッションが楽しくなります。飽きが来ません。

例えば「楽→心地良い→程よく辛い→辛い→心地良い→程よく辛い→辛い」の流れだとセッション自体が流れるように進み、全体通しての満足感が生まれます。

しかしこれがどうでしょう。

辛い→辛い→楽→楽→心地良い→辛い→楽」などアップダウンが極端だったり緩やかな曲線を描けていない状況ですと、終わってみて感想がつまらないといった結果になります。

エクササイズの中でもアップダウンをエッセンスとしてプログラム立案をしましょう。

エクササイズをことごとく外す

これは前述の「つまらない」に通ずることですが、評価が的外れ、代償動作を見逃す、といった場合、エクササイズが非常にたまらないくらいに退屈なものになります。

もしピラティスの難しいエクササイズを行なっているだけ、重量を増やしているだけ、難しいヨガのポーズに挑戦するだけといった現場指導の場合、もちろん狙った結果が伴うことはなく、体の変化も生まれず、顧客満足度は考えるまでもないでしょう。

同じエクササイズをしても、評価が適切で代償を止めて提供できると、クライアントの反応は天と地ほどに変わります。

簡単に言えば指導力、知識不足です。

運動指導者は一生勉強です。ここは語り出したら止まらないので、深掘りしたセミナーを別で行います。

自信がない

これはクライアントの質問に対して、圧倒的な知識不足から起こるANSERの弱々しさを意味します。

ク「〇〇に悩んでいてどうすれば良くなりますか〜?」
イ「あ〜〇〇ですね…(レスポンスが遅い)〇〇が原因で〇〇と思います。」

ANSERが弱かったりレスポンスが遅いと不信感を抱きます。常にインプットを怠らず、クライアントさんの主訴に対する理解力と即答できる頭の回転力が必要です。

頭の回転力に自信がないといった方は、あらかじめクライアントの悩み別にANSERを用意しておきましょう。

  • こういう悩みには、解剖学的に紐解くとこういう可能性があるな
  • こういう悩みには、神経学的に紐解くとこういう可能性があるな
  • こういう悩みの原因は〇〇が〇〇で〇〇になるから生じる可能性があるな

プロフェッショナルとして常にインプットを怠らず、圧倒的な準備を当たり前にしましょう。

自信満々な立ち振る舞いは顧客に身体を任せる安心感を生みます。

エクササイズの共通認識の不足

「腰が痛いです。」

という主訴のクライアントがいたとします。

多くの方は腰背部の緊張からスウェイバック姿勢が常態化していますが、確実に寛骨を後傾の制御を誘発するために90/90ヒップリフトはマストで行いたい種目ですが、なんの説明もせずに処方したとしましょう。

クライアントの率直な感想は

A「なぜ腰が痛いと言っているのに、脚を鍛えるのだろう…」です!

それが説明ありで処方したとします。

腰背部の筋緊張が高く、脊柱が圧迫ストレスがかかり、特定の筋ばかりが過活動を起こしています。寛骨を後傾ポジションにし、腹筋とハムストリングスの筋を使い、腰にかかるストレスの軽減を狙っていきます。

クライアントの感想は

B「普段から腰が反っているから、骨盤から修正していく必要があるんだ。

となります。

AとBで同じエクササイズを行っているにもかかわらず、クライアントの受ける感想には雲泥の差があります。

エクササイズを行う意義とこういったエクササイズを続けていくとこうなっていきますといった、クライアントの主訴に対するベネフィットの共有が必要となります。

クライアントを迷わせないよう、なぜやるのか?を常に共有し、意義を持たせて取り組める環境を作りましょう。

キューイングの共通認識

これはエクササイズを細かく分解し伝える時にも同じことが言えます。

例えば猫背で肩こりが悩みのクライアントさんがいて、胸椎に対するモビライゼーションの介入として胸椎伸展系のエクササイズを試みている場面を想像してください。

「胸を張ってお腹が前に出ないように、胸椎を反らしていきます。」とキューイングしたとします。インストラクターなら伝わりますが、一般の方は「お腹が出ないように〜」など言われても全く伝わりません。この時点でお客さんの頭の中は「つまらない」という言葉が浮かんできます。

私ならこう伝えます。

「胸を一回転上方向に上げてみましょう。胸が下に向いている時より腕が上げやすいのが分かりますか?このように胸椎という背骨を動かせるようになることで、腕は上げやすく、肩に負担がかからなくなります。なので胸椎を動かすエクササイズを集中的に行っていきますね。胸椎を動かす時に代わりに腰が反ってしまうのが良くない動きです。(悪いパターンを視覚で認知させる)なのでお腹に少し力を入れて腰が動かない範囲で胸椎を徐々に動かしていきます。(良いパターンを視覚で認知)」

ここまでやって一般の方は胸椎を動かす目的を理解できます。

同じエクササイズを行っても理解しているとしていないとでは雲泥の差が出ます。キューイングとはただ上手にエクササイズをこなすためのものではなく、そしてエクササイズは広義で捉えれば目的を共有するところから始まっていると言えます。

コミュニケーション不足

あくまでも対面サービスです。その中でどれだけ技術的なところが優れていても、人対人です。人間的に魅力を感じないような関係性のままセッションをただ反復するだけでは、限界があります。

結果にコミットするのは当たり前として、その上でクライアントとの良好な関係性を築くためのコミュニーケーションができているかにもぜひ着目していただきたいです。

  • クライアントの趣味は?
  • 家族構成は?
  • 好きな異性のタイプは?
  • 好きなスポーツは?

症状に対して問診するだけでは、良いカルテは作れません。そのカルテを覗くだけでその人の人となりが分かるくらいあると良いです。

良いコミュニケーションとは、傾聴力です。

聞く→聴く→話す→盛り上がる→聞かれる→自己開示

の流れが自然です。

クライアントの人となりを理解し、こちらも開示をし、クライアントにとって魅力的な人間になりましょう。

基準線は週に1回会いたいかどうかです。

どれだけ良い施術や指導ができても「継続」がなくては身体は変わっていくことはできません。

まとめ

以上、顧客がつかないセッションを簡単に言語化しました。

顧客がつかなくて悩んでいるといった方は該当していないかどうか、振り返ってみてみてください。

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