評価の概要

私たち運動指導者は、パーソナルのセッションでは1対1のレッスンでは確実な効果が求められます。

そしてクライアントさんで、仕事や日常生活を優先してまでトレーニングを優先できる人は基本いません、故に常にトップダウンでスピーディーな介入が必要となります。

トップダウンについてはこちらをご一読ください。

スピーディーな介入による「圧倒的な効果の実感」がクライアントが指導者に求めるニーズです。

反り腰姿勢のクライアントに対して、同じエクササイズを同じように指導しているはずなのに、

なんで同じ結果が出ないんだろう?」

現場ではこんなことに遭遇していませんか?

それはそこに適切な評価が伴っていないからです。

  1. 評価の伴わない指導は指導とは呼べず
  2. 評価がないから結果が出ない
  3. 結果が出ないから顧客満足度が下がる
  4. 結果が出てもたまたまで再現性がない
  5. 自信をもってエクササイズ指導ができていない

ピラティスのブームもあってか、インストラクター側の急増に伴い、このサイクルに陥っている指導者が非常に多い印象です。※当施設では指導者も多くご来店されるためあくまでも私の統計です。

評価が必要な理由は重々に受け止めていることでしょうが、さらに評価の概要を深掘りします。

目次

評価のための評価になっていないか?

最初に言及しておきますが、評価のための評価にならないことは非常に重要な概念です。

評価とは、言い換えれば「粗探し」とも捉えることができます。

例えばASLRを行い、色々な問題点が見つかったとしましょう。

ASLRで得られる情報はざっとこんな感じです。

そこで抽出された身体の状態と主訴との相関性を仮設することが目的であって、決してASLRが完璧にできることが目的でないというメッセージを強調させてください。

主訴に対して、ASLRを評価として行うべきと判断し実施する→ASLRで抽出された問題→身体状態を推察→エントリーポイントを決めるといった流れがトップダウンでスピーディーに問題解決の糸口が見つかりやすいかと思います。

根本原因を除去できているか?

評価に基づくことで運動指導を行います。

ここで多くの方が見逃しがちなのが根本原因を除去できているのか?

ということが最重要項目となると考えております。

常になぜ?を根本から逆算してアプローチしていく癖を身に付けていきましょう。

結論、筋骨格系だけの評価が先行してしまいがちですが、姿勢も動作も痛みも全て脳からのアウトプットです、根本となる中枢神経系の理解は大前提となります。

根本原因とは?

再度ASLRを例えにしますと、腰痛が主訴でASLRを行い、様々な問題点が抽出できたとして、股関節伸展筋群の可動性、柔軟性の低下が顕著に見られ、そのせいで腰痛が生じていると仮設し、介入したとします。

パーソナルトレーナーなら、スタティックストレッチやコレクティブエクササイズを、ピラティスインストラクターならリフォーマーを活用し、股関節伸展筋群に対してアプローチするかと思います。

そして動作パターンや姿勢制御の改善を図ります。

しかし根本的な過緊張を生み出しているのがブレインバランス(脳機能の左右差)かもしれません、酸素供給量の低下による過緊張かもしれません、感覚器の不活性(欠乏)かもしれません、栄養の質的欠乏かもしれません、自律神経の不活性かもしれません、生活習慣(心理的ストレス、睡眠不足、長時間の座位)かもしれません。

つまり運動だけで対処できる問題ではなないかもしれないということです。

簡単に言えば、

  1. 股関節伸展筋群が硬いから伸ばすようなエクササイズを行う
  2. 一時的に改善する
  3. 再来店時に元に戻っている

股関節伸展筋群の過緊張を生み出している根本原因の除去ができていなければ、股関節の可動性を得ることができないこと、そして筋骨格系だけの評価だけでは足りないことがご理解できるかと思います。

もっと簡単に言えば

  1. 筋肉が硬い
  2. 伸ばそう

ではなく、

  1. 筋肉が硬い
  2. 硬くなった原因は何だろう?
  3. 筋肉の硬さは中枢神経系が決めている
  4. 中枢神経系に影響している因子は何だろう?

といった評価推察ができると、根本原因を見つけやすく、その後のエクササイズがより良い効果を出してくれます。

生活習慣の患者教育

最後に前項の生活習慣について少しだけ触れさせてください。

皆さんは生活習慣について正しい患者教育ができておりますでしょうか?

どれだけ適切な評価に基づき、適切な運動を処方しようとも、1週間の中の1時間に過ぎません。

そしてどれだけその1時間で良い効果を生み出そうにも、その良い効果を打ち消すほどの粗悪な生活習慣があっては、何を是正しているのか分からなくなります。

良い反応が適応せず、1週間後の再来店時に元に戻ってるという結果が付き纏います。

何がクライアントの主訴改善やエクササイズの効果を打ち消すほどの阻害要因となっているのか?

理論的に正しく説明し、クライアントさんに現状の把握と見直していただけることの重要性を理解してもらうセッションが我々指導者にとってもクライアントにとってもポジティブなポイントとなります。

評価に対する概要でした。

ぜひ参考にしてみてください。

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